大正11年(1922)4月11日、広島県立広島第二中学校は開校し、昭和20年の原爆による惨禍があり、昭和23年(1948)の学制改革により広島県芸陽高等学校と変わり、昭和24年(1949)に広島県広島観音高等学校と再編成された。また、平成10年(1998)には総合学科に改められ、現在に至っている。

このような変遷を経て、令和4年(2022)に、広島県立広島観音高等学校として創立100周年を迎え、さまざまな記念事業を行った。ここに、記念事業の概要を記述するものである。
1事業への準備
(1)同窓会内部での準備(平成26年〜)
平成26年(2014)頃より、同窓会内部において何回か議論が行われ、平成29年(2017)に同窓会100周年記念事業実行委員会が発足した。委員会では、事業の候補の検討、必要な情報収集、学校側の考え方・ニーズ把握等に務めるとともに、県教委にも出向き、打診した。記念事業の中で設備関係については、種々意見が出たが、クラブ活動部室設置と同窓会館改装を中心とする方向に集約されて行った。
(2)三者一体の実行委員会発足(平成30年)
平成30年(2018)、学校・PTA・同窓会の三者一体となった「広島観音高等学校創立100周年記念事業実行委員会」が設置された。実行委員長は平松恵一氏(同窓会、観音10回卒、当時広島県医師会会長)が就かれ、副実行委員長に豊田由之氏(学校長)、山下真由美氏(PTA会長)、平川勝洋氏(同窓会長)の3氏がそれぞれ就かれた。
また、下部に6つの部会を置き、実務を行うこととした。部会の名称及び役割は次の通り。
・募金部会  募金、税法上の措置
・記念誌部会 記念誌発行、映像収集・DVD
・施設整備部会教育環境整備事業の検討
・記念式典部会記念式典の実施
・祝賀会部会 祝賀会の実施
・広報部会  広報全般の計画及び実施
(3)募金活動
最初に募金趣意書を作成した。見る人に分かりやすいようイラストを入れるなど工夫を凝らした。募金目標額は4,000万円とし、記念事業の内容などを明記した「募金支援のお願い」のリーフレットを準備した。
募金活動推進の重要な要素である税額控除を得るため、国税局と何度も折衝して、認める旨の回答を得ることが出来た。そのために広島県教育委員会とも折衝を行い、教育環境整備事業は「クラブ活動部室設置」と「同窓会館歴史資料室設置」の2つとし、工事完了後には広島県へ寄附することで申請し認められた。
令和元年7月1日、第一次募金活動を開始した。募金部会が中心となって、学年理事などキーマンに当たり、幅広く募金の依頼を行った。1年間活動を行ったが、目標額の半分程度であったため、再度国税局と折衝し、更に税額控除の1年間延長を認めて頂き、令和2年7月1日より第2次募金活動を行った。関係者の熱意と多くの方の協力を得て1年後には目標を突破し、最終的には4,300万円余と超過達成することが出来た。
2事業推進
(1)教育環境整備事業
教育環境整備事業は、色々な項目が検討されたが、最終的には「クラブ活動部室」と「同窓会館リノベーション」の2項目を主とした。
クラブ活動部室は当初は2階建て10室で計画したが、クラブ活動の実態を見直し、平屋建て6室とし、既存の部室に平行して、プール解体後の跡地に設置した。
クラブ活動部室 外観①
クラブ活動部室 外観①
クラブ活動部室 外観②
クラブ活動部室 外観②
同窓会館リノベーションは、1つは歴史資料室を新設し、さまざまな物品や書籍、資料の展示を行った。もう1つは、築後55年を経た同窓会館の建物を「奇麗にする」「利便性を良くする」を考え、窓・床・天井・電気器具・通信装置・塗装などの工事を行った。参考までに、同窓会館躯体の耐震化工事は、県の費用で平成26年に完了している。
同窓会館 外観
同窓会館 外観
事務室
事務室
会議室(小)
会議室(小)
歴史資料室
歴史資料室
大会議室
大会議室
ロビー
ロビー
教育環境整備事業は、上記2項目の他、学校やPTAのニーズを受けて、食堂へ大型空調2基設置、教室へロッカー設置、教室へICT関連機器の設置を行った。
(2)記念誌及び記念DVD作成
創立100周年記念誌「白楷」
創立100周年記念誌「白楷」 ① 過去の記念事業記念誌のデータに加え、新しく情報を収集し、創立100周年にふさわしい外観・内容の記念誌を作成し、生徒全員と関係者に贈呈した。
100周年記念DVD
100周年記念DVD ② 二中創立から現在にいたるまでの歴史を14分間の映像にまとめ、作成し、関係者に贈呈した。
(3)記念式典
令和4年(2022)11月10日に二中原爆慰霊碑近くのフェニックスホールにおいて、県教委・県会議員・教育関係者などの来賓を迎え、記念事業実行委員長、副委員長、教職員と生徒全員が参加して行われた。
司会者から、「今から77年前の8月6日、今、私たちがいるまさにこの場所で、生徒の皆さんの先輩にあたる当時の広島第二中学校1年生321名が被爆され、お亡くなりになりました。せめて100周年記念式典は、故人を偲ぶこの地で行いたいとの思いから、広島国際会議場で行わせていただいております」との説明がされた。
記念式典
記念式典
(4)記念講演会
同日、記念式典に引き続き記念講演会が行われた。平成27年(2015)に広島テレビがリメイクした「いしぶみ~忘れない、あなたたちのことを~」にインタビュアーとして出演され、二中・観音高校に非常になじみの深いジャーナリストの池上彰氏が「君たちは今どのような時代に生きているか?」と題して講演された。
新型コロナウイルス感染症によるパンデミックを例に、日本や世界の歴史上の事柄、正しい知識で正しく判断することの重要性、学んだことが将来必ず役立つことなど例を引きながら話をされ、最後に「21世紀は君たちの世紀です。皆さんに期待しています」と締めくくられた。
記念講演 池上 彰氏
記念講演 池上 彰氏
(5)記念祝賀会
令和4年(2022)11月12日にリーガロイヤルホテル広島を会場にして行われた。新型コロナの関係で、同窓会主体の開催となり、感染対策上から上限350名の制約があったが、関係者の努力とホテル側の協力があり、無事に終了することが出来た。祝賀会は、同窓会館の歴史資料室の一部を会場に再現、現役生徒たちの作品の展示(書道及び美術)、同窓生による書道パフォーマンス、クラフトビール飲み比べなどで盛り上がり、成功裏に終わった。
記念祝賀会挨拶 平松委員長
記念祝賀会挨拶 平松委員長
記念祝賀会挨拶 平川会長
記念祝賀会挨拶 平川会長
鏡割
鏡割
同窓生による書道パフォーマンス
同窓生による書道パフォーマンス
祝賀会場
祝賀会場
歴代の制服展示(同窓会館歴史資料室展示)
歴代の制服展示(同窓会館歴史資料室展示)
3まとめ

総費用

一般の募金による寄附 4,300万円余
同窓会からの拠出 1,000万円
PTAからの拠出 517万円
合計 5,820万円

これらの収入・支出は会計報告に纏め、実行委員会の会計監査の承認を得ている。

終了宣言

令和5年(2023)1月18日、創立100周年記念事業実行委員会の最後の役員会が行われ、平松実行委員長より「これをもって創立100周年の全ての事業を終了します」と終了宣言がされ、創立100周年記念事業は終了した。